きみのセミリタイア日記

35歳貯金ゼロから48歳(2022年)の時にセミリタイアして伊豆に移住しました。

資産運用の重要性: リスクとリワードの関係から見えるポートフォリオ作り

こんにちは、きみです。

 

これからセミリタイアを目指す方や、すでにセミリタイア生活を送っている方にとって、資産運用は非常に重要なトピックですよね。

 

今回は、金融投資におけるリスクとリワードの関係から、あなたに最適なポートフォリオの作り方について、できるだけわかりやすくお話ししたいと思います。

 

 



まず、驚くべき事実から。

 

1986年の画期的な研究で、ブリンソン、フッド、ビーボワーは、

 

ポートフォリオリターンの変動の91.5%が資産配分によって決定される

 

ことを発見しました。

 

つまり、投資成果の大部分は、個別の銘柄選択やマーケットタイミングではなく、  どのような資産クラスにどれだけ投資するかという配分によって決まるのです。

 

この事実は、私たちの投資戦略に大きな示唆を与えています。なぜなら、セミリタイアを目指す上で、適切な資産配分を行うことが、安定した資産形成の鍵となるのです。

 

では、どのように資産配分を決定すべきでしょうか?

 

それには、リスクとリワード(報酬)の関係を理解することが不可欠です。

 

リスクとリワードの基本的な関係
 

投資の世界では、「ハイリスク・ハイリターン」という言葉をよく耳にします。これは、リスク(危険性)が高い投資ほど、潜在的なリターン(利益)も大きくなる傾向があるということです。

 

逆に、リスクの低い投資は、一般的にリターンも控えめになります。

 

ここで重要なのは、投資におけるリスクの定義です。多くの人は「リスク」を単純に「損をする確率」と考えがちですが、実際はそうではありません。

 

投資の文脈では、リスクとは主に「価格のブレの大きさ」、つまり価格変動の程度を指します。これは専門用語でボラティリティ(volatility)とも呼ばれます。

 

高リスクの資産は、短期的に大きく上下する可能性が高いということです。これは必ずしも損失を意味するわけではなく、大きな利益をもたらす可能性も同時に示しています。

 

一方、低リスクの資産は、価格変動が小さく、比較的安定していますが、大きな利益を得る機会も限られます。

 

例えば:

 

普通預金:リスク(価格変動)は極めて低いですが、利回りもほぼゼロ

国債:リスク(価格変動)は低いですが、利回りも低め

株式:リスク(価格変動)は高いですが、長期的には高いリターンが期待できる

 

 

このリスクの定義を理解することは、投資戦略を立てる上で非常に重要です。なぜなら、短期的な価格変動に惑わされずに、長期的な視点で投資を行うことができるからです。

 

特にセミリタイアを目指す投資家にとって、この長期的な視点は極めて重要です。

 

ボラティリティとは

 

先ほど触れたボラティリティについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

 

投資の世界でリスクを表す指標として、よく「ボラティリティ」という言葉が使われます。これは、価格の変動の大きさを表します。

 

ボラティリティが高いほど、短期的には大きな損失を被る可能性がある一方で、大きな利益を得られる可能性も高くなります。

 

例えば、新興国の株式は先進国の株式よりもボラティリティが高い傾向にあります。これは、新興国経済の不安定さや政治リスクなどが影響しています。

 

リスクとリワードのバランス
セミリタイアを目指す方にとって、適切なリスクとリワードのバランスを見つけることが重要です。

 

まずやることは、リスク許容度の把握です。

 

自分がどの程度のリスクなら許容できるかを理解すること。

 

これが一番大切です。これまで利回りが高く運用できていたとしても、自分のリスク許容度を超える運用をしている場合、株式市場の暴落時に取り返しのつかない損失を被り、株式市場から退場せざるを得なくなったり、最悪の場合は全財産を失うこともあり得ます。

 

FXや株式でレバレッジを効かせすぎて市場から強制退場する人がいますが、このような人は自分のリスク許容度を超えた運用をしてしまったことが敗因です。

 

自分のリスク許容度を知るのは意外と難しいのですが、自分がお勧めするのはフィデリティ証券のサイトで無料でできるリスク診断です。

 

www.fidelity.jp

 

上記のリンクから、「今すぐ無料で診断へ」のボタンをクリックして質問に答えていくと、自分のリスク許容度が数値で教えてくれます。

 

質問回答後に出てくる、ポートフォリオのリスクという%表示されたリスクです。

 

結果が13.99%であれば、その数値が自分の最大リスク許容度になるので、その範囲内で最大の利回りを獲得できるポートフォリを作成していくことになります。

 

ポートフォリオ内での分散の仕方
 

資産形成の基本戦略は、長期・分散・積立なので、分散することも忘れてはいけません。

 

異なる資産の種類に分散をしたとしても、異なる資産クラス間の相関関係が強い場合、分散の効果が高くないので効果的な分散になりません。

 

従って、異なる資産クラス間の相関関係を理解することは、効果的な分散投資戦略を立てる上で非常に重要です。

 

主要な資産クラスには、

などがあります。

 

これらの資産クラス間の相関関係を分析すると、いくつかの重要な傾向が見えてきます:

 

株式市場間の関係: 国内株式、先進国株式、新興国株式の間には比較的強い正の相関があります。つまり、これらの市場は同じ方向に動く傾向があります。例えば、国内株式と先進国株式の相関係数は0.8程度と高く、ほぼ同じように動きます。

 

 

株式と債券の関係: 株式市場と債券市場の間には、一般的に弱い負の相関があります。例えば、国内株式と国内債券の相関係数は-0.2程度です。これは、株式市場が下落しているときに債券市場が上昇する(あるいはその逆の)傾向があることを示しています。

 

 

債券市場間の関係: 国内債券、先進国債券、新興国債券の間にも正の相関がありますが、株式市場ほど強くはありません。例えば、国内債券と先進国債券の相関係数は0.6程度です。

 

 

金(ゴールド)の特性: 金は他の資産クラスとの相関が低い傾向があります。株式全般との相関係数は-0.1程度と、わずかに負の相関があります。これは金が優れた分散効果を持つことを示しています。

 

 

REITsの特性: REITsは株式市場との相関がやや高く、相関係数は0.6程度です。ただし、完全に一致して動くわけではありません。

 

 

コモディティの特性: コモディティは他の資産クラスとの相関が比較的低く、インフレ連動債との相関係数は0.4程度です。

 

これらの相関関係を理解し、適切に組み合わせることで、リスクを抑えつつ安定したリターンを目指すポートフォリオを構築することができます。

 

例えば、株式と債券を組み合わせることで、一方の下落を他方の上昇で相殺できる可能性があります。

 

また、金やコモディティを加えることで、さらなる分散効果が期待できます。

 

ただ、相関関係を考慮した上で、自分のリスクに見合ったポートフォリオを組むのは意外と難しいです。

 

おすすめはeMAXIS 最適化バランスシリーズの自分のリスク指数に見合ったポートフォリオの資産アロケーションの比率を参考にすることです。

 

「最適化バランス指数の%」と「自分のリスク数値」が見合ったものを選んでください。

 

 

eMAXIS 最適化バランス投資信託説明書より抜粋



 

eMAXIS 最適化バランス投資信託説明書より抜粋


 

ポートフォリオ内での分散の仕方
 

個人の場合は、金融資産の何割かは現金で保有しているわけで、それらもポートフォリオのリスク指数に反映させたいですよね?

 

その場合は、以下のサイトで現金を含めた資産クラスごとの割合をMyポートフォリオとして組成し、自分のリスク割合に見合ったポートフォリオを微調整しながら作ることができます。

 

myindex.jp

 

ユーザー登録したのち、このサイトであなたのポートフォリのアセットクラス毎の割合を記入すると、過去20年の実績に基づく平均リターンとリスクが出てきます。

 

この後、最後の確認として、あなたの作ったポートフォリオで運用した場合の将来予想運用結果がどの程度なのか確認してみましょう。

 

モンテカルロ・シミュレーションの活用


投資の将来パフォーマンスを予測する上で、モンテカルロ・シミュレーションという手法が非常に有用です。これは、過去のデータに基づいて、数千回もの仮想的な未来のシナリオを生成し、投資結果の可能性の幅を示すものです。

 

例えば、ある投資戦略で10年後に1000万円の資産形成を目指す場合、モンテカルロ・シミュレーションを行うことで、「75%の確率で800万円から1200万円の間に収まる」といった具体的な予測を立てることができます。

 

実際のシミュレーションは、以下のサイトで行うことができます。

needs-hearing.jp

 

必要項目を入れて「計算する」のボタンを押すと結果が出ます。

 

特に、一番下のグラフでは、標準偏差で結果が出ますので、真ん中の3つの結果が、約68%の割合で実現する運用結果、その両隣の2つまでの範囲が約95%の確率での運用結果となります。

 

 

このシミュレーションを行うことで、以下のような利点があります:

 

リスクの可視化:最悪のシナリオや最良のシナリオを数値で把握できます。
戦略の比較:異なる投資戦略のリスクとリターンを比較しやすくなります。
現実的な期待値の設定:過度に楽観的または悲観的な見通しを避けられます。
柔軟な計画立案:様々なシナリオに基づいて、より柔軟な資産運用計画を立てられます。


まとめ


少し長くなってしまいましたが、セミリタイアに向けた資産運用において、リスクとリワードの関係を理解することは非常に重要です。自分のリスク許容度を把握し、長期的な視点で分散投資を行うことで、より安定した資産形成が可能になります。

 

また、モンテカルロ・シミュレーションを活用することで、より具体的かつ現実的な資産運用の計画を立てることができます。ただし、シミュレーションはあくまで予測であり、実際の結果とは異なる可能性があることを忘れないでください。

 

リスクとリワードのバランスを取りながら、着実に資産を育てていくことが、セミリタイア後の安定した生活につながります。

 

皆さんも、自分に合った投資戦略を見つけ、豊かなセミリタイア生活を目指してください。

 

では、また!